Business plan creation Agency.
私たちは、
事業計画書作成に関する
プロフェッショナル集団です
ベンチャー企業やスタートアップとして起業をし、これから資金調達を行い事業規模を拡大したいと考えている起業家にとって考えなければならないことは「資本政策」の作り方や考え方です。
事業計画書はなんとなく作れる、という方は多くても資本政策となると頭が?になる人はいらっしゃると思います。
それはなぜか?事業計画書は自身の頭の中のビジネスプランをアウトプットすれば良いだけですし(もちろん構成などにコツはありますが)、収支計画も会計を齧ったことのある方ならそれほど難しくなく作れるでしょう。企業に務めていれば財務諸表を見る機会もありますから自然と損益計算書くらいは読めるようになる方は多いです。
しかし資本政策は違います。
損益計算書や貸借対照表のように企業が作成しなければいけない資料でもなく、公開しなければならない情報でもないため、なかなか見る機会、接する機会がないのです。
しかし、エクイティファイナンスにおいては資本政策をきちんと組み立てることが非常に重要であり、規模拡大のためには考えることが必須といっても良いでしょう。
それでは資本政策を考えようとなった際に重要になってくるのがバリュエーション(企業価値評価)です。
バリュエーションの計算方法にはいくつかの方法がありますが、スタートアップの場合はDCF法という計算方法で問題ありません。
DCF法はおおむね5年間の収支(キャッシュフロー)を基に算出されるものであり、5年間で生み出された利益が将来に渡り継続されることを想定し、その場合の評価額はいくらになる。といった考え方です。
超ざっくりとでもバリュエーションを計算したい場合は、5年間の収支計画を作成し5年目の利益が何年続くかを計算しそれを全て足せば本当にざっくりではありますがバリュエーションの目安にはなります。
主にスタートアップが資本政策を考える際には上記バリュエーションの目安や自社の目標とする時価総額から逆算していくと良いと思います。
例えば5年後に時価総額○○億円を目指したいから、という考えでも良いでしょう。
そこからその時点でエクイティでいくら調達しなければいけないのかを考え、株価を計算、その結果として持株比率がどの程度になるのかというのを目安で考えていくと良いでしょう。
ご自身でざっくりと作成した資本政策でも十分投資家に提出可能にはなると思います。
そしてさらに事業計画書を作り込んだり、きちんとした資本政策を作ろうとなった段階で弊社のようなプロのコンサルタントに依頼されるとスムーズな計画が立てられるのではないでしょうか。
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スタートアップにとって資本政策(エクイティポリシー)の策定は、事業の成長や成功に大きく関わる重要なステップです。資本政策は、企業の成長過程でどのタイミングで、誰にどれだけの株式を発行するか、またどのような条件で資金調達を行うかを計画することを指します。このポリシーが適切に策定されていないと、創業者が持つ株式の希薄化や、将来的な資金調達が困難になる可能性があります。
この記事では、スタートアップの資本政策の作成方法について、基本的な流れや重要なポイントを解説します。資本政策とは資本政策は、会社がどのようにして資金を調達し、それに伴う株式の分配をどのように管理するかを定める計画です。具体的には、創業者や従業員、投資家に割り当てる株式の量、時期、そして条件を含みます。また、資金調達の段階ごとにどのくらいの株式を発行するのか、資本構成の維持や企業価値の向上を目指してどのように調整していくのかも含まれます。
資本政策の主な目的
創業者の持ち分を守る:過度な株式の希薄化を防ぎ、創業者が持ち株の大部分を失わないようにする。
投資家への利益を保証する:資金提供者に対するリターンを合理的に確保する。
従業員へのインセンティブ:ストックオプションやRSU(制限付株式ユニット)を通じて、優秀な人材を引きつけ、モチベーションを高める。
将来的な資金調達の余地を残す:会社の成長に伴う資金調達ラウンドで柔軟に対応できるように計画を立てる。
資本政策のステップ
1. 株主構成の決定
最初のステップは、会社を設立する際にどのように株式を分配するかを決めることです。スタートアップの初期段階では、創業者間で株式をどのように分配するか、また初期の従業員やアドバイザーに対してどの程度の株式を割り当てるかを慎重に検討する必要があります。
創業者間の株式分配: 創業者同士で話し合い、貢献度や役割に応じて公平な割合で株式を配分します。ただし、株式が均等でない場合、長期的なモチベーションや信頼関係に影響を及ぼす可能性があるため、慎重に行う必要があります。
従業員ストックオプション: 初期段階から優秀な人材を確保するために、従業員向けにストックオプションプールを設定することが一般的です。通常、全体の株式の5〜15%を従業員に割り当てることが推奨されています。
2. 資金調達のタイミングと規模を計画
資本政策を策定する上で、資金調達のタイミングと規模を見極めることが重要です。スタートアップの成長段階に応じて、複数回の資金調達ラウンド(シード、シリーズA、シリーズBなど)を計画する必要があります。
シードラウンド: スタートアップが製品やサービスの開発を進める初期段階では、通常、エンジェル投資家やVC(ベンチャーキャピタル)から小規模な資金を調達します。この段階では、投資家に提供する株式の割合は大きくなりがちです。
シリーズA以降: プロダクト・マーケットフィットが確認され、事業が拡大し始める段階では、より多くの資金を調達する必要があります。各ラウンドでの株式の希薄化を考慮し、投資家に提示する条件や評価額を戦略的に設定します。
資金調達のラウンドが進むごとに、創業者の持ち株比率は希薄化していくため、どのタイミングでどれだけの資金を調達し、その際にどれだけの株式を発行するのかを綿密に計画します。
3. 企業価値の評価と調整
資金調達に際しては、企業価値の評価(バリュエーション)が重要な要素となります。企業価値が高く評価されれば、少ない株式を発行するだけで必要な資金を調達できます。しかし、過度に高いバリュエーションは後のラウンドでの資金調達にリスクを伴います。
プレマネーバリュエーション: 資金調達前の企業価値です。投資家はこの段階での企業価値を基に出資額を決定します。
ポストマネーバリュエーション: 資金調達後の企業価値です。プレマネーバリュエーションに新たに調達された資金を加えたものがポストマネーバリュエーションになります。バリュエーションは、企業の成長ポテンシャル、市場規模、チームの質、競合状況など、複数の要因によって決まります。資本政策を策定する際には、バリュエーションが将来的にどのように変化するかも予測しておく必要があります。
4. 株式の種類と優先権の設定
資金調達の際には、投資家に提供する株式の種類や優先権も決める必要があります。スタートアップでは、普通株式と優先株式の2種類が一般的に使われます。
普通株式(Common Stock): 創業者や従業員に割り当てられることが多い株式です。議決権や利益分配に参加する権利がありますが、優先株式に比べて後回しにされることがあります。
優先株式(Preferred Stock): 投資家に提供されることが多い株式です。投資家は利益分配や会社清算時に優先的にリターンを受け取る権利があります。さらに、配当優先権やリキッドネーション優先権など、特定の権利が付与されることがあります。優先株式を発行する場合は、投資家のリスクを軽減するために様々な優先権を提供することが求められますが、これにより創業者や従業員の利益が後回しにされる可能性もあるため、バランスを取ることが重要です。
5. 希薄化の管理
株式の希薄化は、資金調達の度に発行する株式が増えることで、既存株主が保有する株式の割合が減少する現象です。これは特に創業者や初期従業員にとって懸念事項です。資本政策では、この希薄化を最小限に抑えつつ、必要な資金を調達する方法を計画します。
希薄化対策: 希薄化を管理するためには、資金調達の際に発行する株式の量を慎重に決定することが必要です。また、従業員ストックオプションの割合や将来の株式発行の予定も考慮に入れた上で、適切な希薄化率を設定します。
6. 資本政策のシミュレーション
資本政策を策定する際には、様々なシナリオを想定してシミュレーションを行うことが推奨されます。たとえば、資金調達ラウンドごとにどのくらいの株式を発行するか、その結果として創業者や投資家、従業員の持ち株比率がどのように変化するかをシミュレーションします。Excelや専用の資本政策シミュレーションツールを使うと、視覚的に理解しやすく、異なる条件下での結果を比較することが可能です。
7. 専門家のアドバイスを活用
資本政策の策定は複雑であり、特に初めての起業家にとっては困難なプロセスです。そのため、スタートアップの法務、会計、資金調達に精通した専門家(弁護士、税理士、CFOなど)に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。また、VCやエンジェル投資家との交渉時にも専門家のサポートが有効です。
まとめ
スタートアップにとって資本政策の策定は、会社の成長と成功に大きな影響を与えます。創業者の持ち分を守りつつ、投資家や従業員にとっても魅力的な株式分配を行うことが求められます。資金調達のタイミングや規模、バリュエーション、株式の種類と優先権、希薄化の管理など、さまざまな要素を慎重に検討し、シミュレーションを行いながら計画を進めることが大切です。また、専門家のアドバイスを活用し、適切な資本政策を策定することで、スタートアップの持続的な成長を支える基盤を築くことができるでしょう。