融資・投資家向け資金調達の事業計画書作成代行

ChatGPTに事業計画書の作成は可能か？

2022年11月に公開され、全世界的に利用されている生成系AI「ChatGPT」。
日本のテレビで取り上げられるなど今最も注目を集めるサービスと言っても過言ではないでしょう。

私自身も課金してGPT4を使い、仕事の効率化を模索しています。
ChatGPTの優れている点は何と言っても自然な文章の生成能力にあると思います。まるで生身の人間が作成したような文章が瞬時に生成される様子を見るのは恐怖にも似た感覚を覚えます。

日々、クライアントの事業計画書を作成している身としては、我々のような資料の作成をメインとしたホワイトカラー労働者は必要なくなってしまうのではないか・・・と一抹の不安も感じますね。 

それでは今回は実際にChat GPT(GPT-4)に事業計画書を書いて頂きましょう！
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Chat GPTに事業計画書を書かせてみた

指示文：焼肉屋を開業するための事業計画書を作成してください。

上記のみです。

細かな指示は行わず、どんな事業計画書が生成されたか。以下にコピペします。

【事業計画書】 
概要事業名: 焼肉ワンダーランド
目的: お客様に最高の焼肉体験を提供する焼肉店を開業する
所在地: [住所] 

事業背景
近年、焼肉市場は拡大傾向にあります。この市場の伸びを受け、焼肉ワンダーランドは、質の高い食材を使用し、居心地の良い雰囲気で最高の焼肉体験を提供することを目指しています。 

ターゲット市場
主なターゲットは、焼肉を楽しむ20代から50代の男女で、家族連れや友人・職場の同僚など、幅広い層を対象としています。 

サービス内容
(1) 食材 
国産黒毛和牛を中心とした高品質な牛肉を提供新鮮な野菜やサラダ、韓国料理のサイドメニューを提供
(2) 価格
コースメニュー: 3,000円～10,000円
単品メニュー: 500円～3,000円
(3) 店舗環境
快適な雰囲気を演出する内装完全個室を設け、プライベート空間を提供子供用の遊び場を設置し、家族連れも楽しめる空間作り

営業戦略
(1) 広告・宣伝SNSを活用した情報発信地域イベントへの参加フライヤー・チラシ配布
(2) クーポン・特典新規オープン時の割引クーポン誕生日特典の提供ポイントカード制度導入
(3) 地域密着型サービス地元食材を積極的に使用地域の祭りやイベントへの積極的な参加

経営体制
代表取締役: [氏名]
従業員数: 10名
役職: 店長、副店長、調理スタッフ、サービススタッフ 

費用・投資
(1) 初期投資 
店舗改装・内装費用: 8,000,000円 
調理器具・備品購入: 3,000,000円
開店広告費用: 1,000,000円
開業資金(運転資金):3,000,000円
合計初期投資: 15,000,000円

(2) 月間経費 
食材仕入れ費: 1,200,000円
人件費: 1,500,000円
光熱費: 200,000円
広告費: 100,000円
その他経費(消耗品、雑費等):100,000円
合計月間経費: 3,100,000円

収益予測
(1) 月間売上目標:4,000,000円
(2) 月間利益目標:4,000,000円 (売上) - 3,100,000円 (経費) = 900,000円
(3) 利益率目標: 900,000円 (利益) ÷ 4,000,000円 (売上) × 100 = 22.5%
(4) 投資回収期間:15,000,000円 (初期投資) ÷ 900,000円 (月間利益) ≒ 16.7ヶ月 

リスク分析
(1) 売上不振リスク 
競合店の影響景気低迷による需要減対策: サービスの質向上、集客力強化、キャンペーン実施
(2) 人件費増加リスク
労働市場の厳しい状況対策: 従業員の定着率向上策、効率化による人員最適化
(3) 原材料価格変動リスク
国内外の牛肉市場の影響対策: 仕入れ先の多様化、コスト管理の徹底

今後の展望
(1) 1年目: 定着率の向上、地域での知名度向上
(2) 3年目: 売上・利益の安定化、投資回収
(3) 5年目: 2号店の開業、ブランド力の向上

以上が、焼肉ワンダーランドの事業計画書の概要です。
この計画書をもとに、質の高い焼肉店を開業し、地域のお客様に愛される焼肉店を目指して参ります。また、業界や市場の変化に柔軟に対応し、事業の拡大と継続的な成長を実現するために、経営努力を続けていく所存です。
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感想：ChatGPTは凄い！

焼肉屋の事業計画書を書いてください、と指示して数分で上記の文章が生成されました。
単純に凄いですね。
店名までつけてくれるのが人間臭くて好きですね。

ただしいくつか気になる点もあることは事実。 
例えば、売上計算の根拠が全くなく不十分であること、顧客分析やマーケティング戦略に関する記載がないことなどですね。
売上や利益の算出方法が極めてアバウトであり、この資料だけで資金調達を得るのは難しいです。
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特に投資家向けの資料としての活用はできないレベルでしょう。

ただし、これらは追加で指示を出せばある程度のレベルでは生成されます。

私もChatGPTに生成させることが多いのは顧客の“ペルソナ”です。これは人間が考えるよりも早く的確なペルソナ像を提供してくれるため非常に重宝しています。

今回の事業計画書のペルソナを聞いてみたところ、以下のように生成されました。
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ChatGPTが生成した焼肉屋のペルソナ

焼肉ワンダーランドのペルソナは以下の通りです。

 ペルソナA：「リラックスできる場所で美味しい焼肉を楽しみたい」
年齢：20-50代
性別：男女
状況：友人・同僚・カップル・家族での外食を楽しみたい
ニーズ：質の高い焼肉をリーズナブルな価格で楽しみ、リラックスした雰囲気で会話も楽しみたい 

ペルソナB：「地元産の食材を使った焼肉が食べたい」
年齢：20-60代
性別：男女
状況：地元産の食材を活かした焼肉店を探している
ニーズ：地元産食材を使った美味しい焼肉を食べることで、地域の活性化にも貢献したいと考えている 

ペルソナC：「家族連れで楽しめる焼肉店を探している」
年齢：30-50代
性別：男女
状況：家族で外食する際に、子供も楽しめる焼肉店を探している
ニーズ：子供用の遊び場がある焼肉店で、家族全員が楽しめる空間を求めている 

ペルソナD：「焼肉ディナーを利用したいビジネスマン・ビジネスウーマン」
年齢：30-50代
性別：男女
状況：仕事仲間や取引先との接待・会食で利用できる焼肉店を探している
ニーズ：個室が用意されており、プライベートな空間で焼肉を楽しみながらビジネス話を進められる場所を求めている 

これらのペルソナを踏まえた上で、焼肉ワンダーランドは、質の高い食材、リーズナブルな価格設定、居心地の良い空間、家族向けの設備、個室の提供など、様々なニーズに応える焼肉店を目指しています。
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結論：Chat GPTだけでは不十分な点はあるが簡易的な資料としては合格点

ものの数分でこれだけの文章をアウトプットしてくれたGPT4。人間が作成するなら少なくとも2～3時間はかかるであろうボリュームです。

内容的には不十分な点も見受けられますが、簡易的な資料としては合格点と考えられるし、取引のある金融機関に提出するくらいならこの資料で融資を得ることもできるかと思います。 

ただし、個人的には収支計画や設備投資計画に関してはかなりアバウトな数字でした生成されない上、資金調達を目的とする場合は数字が最も重要な要素になってきます。
そのため文章の作成をChat GPTに任せるのはアリだと思いますが、数字部分はご自身できちんと作成するか専門家に委託するのをおすすめします。 

また、資本政策の作成もほぼできませんでしたので、投資家向け資料としての活用は難しそうです。数字面において蓋然性の高い資料の作成はまだ弱いかもしれませんね。 


現時点（2023年4月）におけるGPT-4を活用した事業計画書作成としては以下のような方法がおすすめです。

・事業計画書の目次を作成してもらう
　自身で事業計画書を作成する場合、そもそも何を書けばよいか分からないという方も多いかと思いますが、Chat GPTにその目次を作成してもらい、目次に沿って自社のことを記載していくという方法。
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・部分的な補助
　これは当社でも活用している方法ですが、ペルソナを作成してもらうといった事業計画書の部分的な内容を作成してもらう方法。
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・とりあえず何でも良いかから形になったものが欲しい
　事業計画書の質やボリュームはそれほど重要ではなく、とりあえず形になっている事業計画書が必要である（例えば物件審査のときなど）場合はこの程度の内容でも良いかもしれません。
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 これからの時代を考えたとき、私を含めたホワイトカラーの労働のあり方は大きく変わっていくことは間違いないでしょう。Chat GPTのような先進的なサービスを拒否することなく、うまく活用しビジネスに活かしていきたいですね。

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